遊牧民の敷物 of アーチコレクションHPへようこそ



HOME > 民族衣装 > 遊牧民の敷物

遊牧民

現在遊牧民はほとんど見ることができない。よほどの秘境に行かぬと遊牧生活だけで暮らせているような人々に会うことはできない。。国民国家、同化政策、定住生活を国家から求められ、もしくは自らその文化を捨てていく。医療ゃ教育のことを考えれば仕方ないことだと思う。かくいう私たちもやはりその波にのまれてきたのだから。私がかねてから「遊牧民の敷物」と展示会のタイトルをつけ全国を廻ったのも以下のようなわけがある。
確かに現在はほとんど遊牧生活をしている者もいないし、三十年前に織られたオールドの敷物ももうすでに定住生活をし、制作されたものである。厳密にいえば遊牧民だったかもしれない人の末裔が織ったものである。
しかしそのスキルや目的、機能、デザインは全く遊牧生活から生み出されたものであってわざわざ人に売るために作られたものでないところを伝えたかった(当社の取扱品目はということ)。家族の願いがそして平和を求める人々の表現が次の世代にメッセージとして受け継がれてゆく。まさに遊牧民の願いだったから。

キリムと絨毯

世界的なキリムブームと絨毯。当社が取り扱っているのは商業用のものではない、家庭用のその制作者の家庭の事情で作られたもの。民芸だ。たしかにノットなどで値段が決められてゆくところもないでもない。
まず絨毯で言うとその部族や産地により値段が大体決められている。敷物は欧米のアンティーク市場なので日本でいえば骨とう品などの市場と同じ考えてもらえばいい。たとえば緻密で落ち着いたデザインと配色のものを織るトルクマンの人々のも古いもののは比較的高かったり、また日本の家屋に合わないサイズのものを現地で使っている部族のものは日本では評価が低かったり。適当なようでも現地に行くとある程度決まっている。
またキリムなどは欧米の雑誌等で値段が記されたりしているので大体イランやトルコの現地でもそれに連動したりしているし一見さんには欧米価格で取引などということも多々ある(トルコに行く旅行者の中には日本での価格より高く買ってくる人もいる。思い出も詰まっているのでそれはそれでいいとは思うが無駄といえば無駄といえる)。キリムの話に戻るがキリムは原則的に原産地によって値段がはっきり分かれている。それぞれの地方の模様や年代により取引価格が分かれる。女性たちが自由奔放に楽しみながら織るキリムは明るく楽しいものが多い。それ故面白い珍現象が起こっている。
絨毯とキリムが同じ面積だとするとおそらく絨毯を製作するのにはキリムを製作するより百倍近いの労力と時間がかかる。キリムは平織りという意味で縦糸に横糸を通せば一列埋まってしまう。一代使いのマルチカバーで気軽な布です。しかし絨毯は一本一本の縦糸に糸を結んで製作される。縦糸の数だけ差が出るといっても過言ではない。それゆえ絨毯は何代も使用するのでその家庭の紋章や願いが織り込まれるのだ。毛の量も数倍多いうえ温かいのだ。しかしながらこの労力の差は価格に全く現れていない。かえって絨毯のほうが安いくらいで、需要と供給というのは恐ろしいと考えている。

アーチコレクションのキリムと絨毯

古い敷物のクオリティーは千差万別、毛の質や摩耗の度合、ノットや汚れ、退色、手直しの度合、色々あります。大体は三十年以上使用されてきているのでそれは仕方ありません。本来は対面販売で販売するのがベストなのですが、展示会や対面販売が時間と体力と労力とが対価に反映されない時代になってしまったのでネットの画像のみで判断していただくしかありません。それぞれのサイトにお客様の評価がそれぞれ現されていますので参考にしていただきたく思います。

054.JPGトルコ フェティエ
050.JPGトルクメニスタン ヨムート103.JPGトルコ コンヤ
344.JPGイラン バルーチ絨毯387.JPGトルクメニスタン ヨムート 絨毯

UA-113132329-1